最近よく行くバーは、丘の上にある。
行くのは大体夜だから、いつも1階のタルト屋さんは照明が落ちていて、椅子が逆さまにしてある。
脇にある青銅の門に、小さな照明が灯っていてる。
門を抜け優しいベージュの色をした階段を踏みしめながら2階にあがる。振り返ると、
いつも夜の街の風景が少し見える。気持ちがいい。店の名前は、丘の上で、という意味だ。
店内は、薄暗いが、木で出来た棚や小さな手作りの装飾がある。
聞くと、映画スモークに出てくるタバコ屋の雰囲気がマスターの理想だそうだ。
このバーには、近くに住んでいる馴染みの客が夜な夜な集っている。
街柄か、店柄か、30歳前後の若い人が集まる。マスターは若くて、優しい。
最近気づいたのだが、バーは馴染みの客になってからが面白い。
いくつもの店を知っている必要はないのかもしれない。
奥はワインバーになっている。少し客年齢層が上がる。
ある日、人が動き出したので、行ってみた。その小さな1室には、古めかしいピアノがおいてある。
調律はしっかりとされている。優しそうなおじいさんがピアノの前にいた。
流れてきたのは、Misty,恋は水色,My Funny Valentine,Waltz For Debby...他オリジナル多数
半径4メートル位で、10人くらいの見知らぬお客がいて、みんなでジャズが流れる時間を楽しんだ。
Mistyは、僕に高校時代を思い出させてくれた。
高校時代に、ジャズバンドを組んで、ジャズライブをやった。
僕は友達と2人で、ピアノをやっていた。音楽の授業がきっかけだった。
そのラストステージになる、学園祭当日のライブの後半。
友人のピアノの先生が飛び入りで演奏してくれた。それが、Mistyだった。
僕らは、ステージを降りて、その演奏を聴いた。素晴らしい演奏だった。
曲が終わった後に、友達と飛び上がって拍手をした。興奮した。そして、最後の曲に流れ込んだ。
最高に、自由と至福を味わったときだった。
僕の人生を変えた出来事のうちの1つだったと思う。
高校時代。進路とか、世の中とか良くわからず、
受験で国立の名門校に行くことのみが良しとされている中で、
思春期ながらの抵抗だったのかもしれない。
振り返って、結果的に言うと、
あの一連のことが、その後に通うことになる大学を決めた。
そして、何の因果があってかわからないが、
東京に出てきて、小さな1室のピアノから、またMistyを聴いている。
今日から25歳。
あの頃とはまた少しちがう、霞の中。
自分とは違う価値観、社会や会社の仕組み。
でも、霞の中にいるのが人生である。
どうやって霞を晴らして、道をつくっていくかが、
人生の醍醐味なのだと、信じている。
いつかまた、いいMistyが聴けますように。
ねえそこ!代官山でしょこのバーって!!
違う?
どっちでもいいんだけどさ、
行きたくてしょうがないんだけど、
まだいったことないんだよね。
連れて行って♪
あとさ、切り絵のところ、なんであえて私の
名前書かなかったの。笑
それもどっちでもいいんだけどさ。
バー連れてって♪
<shizuka
よーし、
体元気になったら
つれてってあげる!
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