まずは最近の2つの事象から。
リーマンショックは、グローバルレベルで資本主義の行き過ぎた構造的欠陥が臨界点に達して露になった。(資本主義のすべてが否定されてわけではない。)
定額給付金では、政権の支持率が圧倒的に低下した。金額インパクトの問題もあったかもしれないが、自分の国のデザインとしての政策に対してNOサインが出ている。結果的に政権交代がおこるであろう。
さてここで共通して言えるのは、一言で言うと自滅であった。直接前権力を引きづりおろしたという人はいないという状態での革命であった。
では、行き過ぎた資本主義の次を考える人、日本の現在の政府機能不全の次を考える人は、どのような人なのであろうか。
僕は、間接的に突き崩してきた人たちが次の全体をデザインしていくべきだと考える。
見えない革命のあった時代であったわけだが、その過程の中で、間接的にそれらを押し進めてきた人。ITベンチャーの人、社会起業家の人、NPOの人、新しいタイプのデザイナー・アーティスト、新しいタイプの研究者、新しいタイプの政治家がそうなのであるかもしれないと考えている。
この人たちは全体のデザインにはこれまで参加してこなかった。しかし、既存のやり方ではない新しいやり方を常に模索してきた。その中に次の全体のデザインのヒントが多く隠されている。次は、これらから全体のデザインにつながる要素を紡ぎだし、描き出すことが必要だろう。
とすると大事なのは、次の時代をデザインする人たちの有機的で質の高い実践的なネットワークである。そのような人たちがネットワークを元に自分たちのことだけではなく広範囲なレベルで物事を考えていく状態に進んでいかねばならない。
それは彼ら彼女らが権力を握り新たな権力として君臨するのではなく、より良い民主的なデザインになるだろう。身の回りにいたSFCの人たちや今活躍する人たちを見ているとそれは間違ってはいない気がする。
そうした未来であれば、未来は明るいと思う。
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